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「ステルポイジャン達は二手目を失敗った

「ステルポイジャン達は二手目を失敗った

「ステルポイジャン達は二手目を失敗った。」「・・・。」「一手目はバスバス平原の制圧とドルドル鉱山の確保だ。これは見事に決めた。」「二手目は?」「タゴゴローム守備軍の撃破だ。バトリスク一門を滅ぼした後、間髪を入れずタゴゴロームに軍を派遣していれば、如何にハンベエに武勇が有ろうと、手の施しようが無かっただろう。」ハンベエは頷いた。そもそも、タゴゴローム到着直後に訪れたボーンも、そう見立てた。ハンベエ自身、直ぐにも攻めて来るものと慌てたのであった。「奴等は何故直ぐ攻めて来なかったのかな?」「想像だが、戦備が直ぐには整わなかったのだろう。準備さえ出幼兒playgroup 来ていれば直ぐに攻めたはずだ。」そう言えば、とハンベエは思った。ボーンから詳細を聞いたが、ゲッソリナ王宮からのラシャレー追い落としは、国王毒殺から始まった。その国王毒殺も敵の親玉であるステルポイジャンすら知らぬ突発的なものであった。準備が整っていなかったとしても不思議ではない。「だが、タゴゴロームを攻めるとして、理由は?」「理由など、後から幾らでも付けられる。ともかく、直ぐにタゴゴローム守備軍を叩き潰していれば、ボルマンスクに対してステルポイジャン達は相当有利になっていたはずだ。」「今からでも、叩き潰しに来るんじゃないか。」「そうも行かないだろう。ボルマンスクの方がある程度の戦備を整えただろうから、ゲッソリナを手薄にしたら、ボルマンスクから攻められる危険が有る。私が我が方面に向けられる兵力をせいぜい5万と考えているのはそういう理由だ。」「なるほど、言われて見ればそんな気もするが・・・俺なら全軍を率いて、手早くタゴゴロームもボルマンスクも片付けるがなあ。自ら兵を率いて。」「そうなれば、こちらはお手上げだが・・・未だ動いてない処を見ると、ステルポイジャンに動けない理由が有るのではないかな。」「動けない理由。」「例えば王妃との対立、或いは部下への不信。」モルフィネスやはり鋭い、とハンベエは王宮で目にした王妃モスカやガストランタ、ニーバルの顔を浮かべた。「なるほど、兵力的には不利には違いないが、最初思っていたほどではないという事か。」「そうだ。次に旗印の比較だ。」「王女とフィルハンドラというわけだな。」「そうだ。どちらが担ぐのに魅力的かと云えば、エレナ姫という事になる。」「何故だ?」「前の王妃はレーナと言われる慈悲深い事で王国民に慕われる存在だった。」「ふーん。」「レーナ王妃は、姿心映え美しき人物で、王妃の経営した孤児院や貧民診療所を懐かしむ王国民は多い。そして、エレナ姫はそのレーナ王妃の面影を強く宿している。王国民はエレナ姫にレーナ王妃の再来を感じるだろう。一方、フィルハンドラ王子は末っ子で歳若きため、王国民からさほどの関心を持たれていない。その上、母親のモスカ夫人が王国民に不人気だ。」「こちらが有利というわけか。」「そうだ。旗印など圧倒的力の前には無力だが、力が拮抗してくれば意味を持って来る。」「なるほど。」「次に指揮官の優劣だが、こちらはハンベエ次第と言う事になる。」「俺次第か。」「取り敢えず、この私の参入を受け入れ、且つ、王国金庫についての助言を聞き入れてくれたので及第としておこう。今後も曇り無き心で部下の進言に耳を傾けてもらいたい。」モルフィネス、ここぞとばかりに売り込んだ。しかし、阿諛迎合の臭みは何故かない。無表情に淡々と言ってのけるのである。「部下の進言・・・ふふ、それにしては、随分敬意の無い物の言いようだな。」「・・・なんだ?まさか、閣下とか呼ばれたいのか?それなら、言葉遣いも改めても良いが。」